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腸を良い状態にすることで体が元気になるテクノロジー

筋肉をつけるには「筋トレとプロテインを掛け合わせることで効果がある」というのが一般的な常識ですが、近年の研究により抹茶が筋肉量の増加を促す可能性が示唆されています。

「食事やサプリを工夫してもなかなか成果が出ない…」

そんな悩みを抱えるトレーニーは、新たな選択肢として“抹茶を筋トレ後に摂取すること”が有効かもしれません。効率よく筋肉を育てるには、トレーニングに加えて「抹茶」のパワーを活用することがカギになるのです。

筋トレ×抹茶=組み合わせ最強説

「筋肉をつけるなら、プロテインだけではなく抹茶を取り入れることも重要なのではないか」
このような新たな知見が、スポーツや健康運動の分野で注目を集めています。京都府立大学大学院の青井渉先生の研究によると、抹茶の摂取が 筋トレによる筋力増強や骨格筋量の増加を促進する可能性があると言います。

(データ出典:青井先生の研究より)

試験デザイン : 無作為化盲検プラセボ対照ヒト試験
対象 : レジスタンス運動(筋トレ)習慣のない健康な男子学生19名
内容 : 筋トレを週2回実施し、毎日2杯の抹茶飲料(1杯あたり抹茶1.5g配合)あるいはプラセボ飲料を12週間摂取した。

「筋トレを行いつつ抹茶を摂取したグループは、摂取しなかったグループよりも筋力と筋量が増加するというデータが得られました。」(青井先生)

画像出典:青井先生の研究資料より

青井先生によると、抹茶が腸内細菌に影響を与えていることが考えられるとのこと。

「抹茶に豊富に含まれる食物繊維が腸内の善玉菌を活性化し、その善玉菌が短鎖脂肪酸などの筋肉増加を助ける成分を腸内で作り出している可能性があります。私の研究では、抹茶を飲むことで善玉菌が増えた人ほど筋力が増加したという結果が得られました。」(青井先生)


さらに、動物実験でも短鎖脂肪酸の影響が示されています。
「無菌環境で育て、腸内細菌を持たないマウスでは、筋肉が萎縮してしまうことが確認されています。しかし、そのマウスに短鎖脂肪酸を補充すると筋量や筋力が回復するという結果が得られています。つまり、短鎖脂肪酸が筋肉を増やす要素となることがわかりました。」(青井先生)

オススメは、抹茶味ではなく抹茶そのものを取り入れる「抹茶ダイレクトチャージ

「抹茶を継続的に摂取することで 腸内環境が改善され、短鎖脂肪酸を産生する菌などが増加することが示唆されています。特に、茶葉そのものを摂取できる抹茶を飲むことで、他のお茶に比べて多くの食物繊維やカテキンを取り入れることができます。また、プロテインに抹茶の粉を加えて“抹茶プロテイン”にすることで、より筋肉増加を助けるドリンクになると期待できます。」(青井先生)

青井先生がおっしゃるには、抹茶味の食品やドリンクではなく、「抹茶そのもの」を摂取することが重要だそうです。例えば、抹茶パウダーを水や牛乳に溶かして飲む、プロテインに混ぜる、スムージーに加えるなど、手軽に取り入れられる方法がおすすめと言います。

まとめ:

抹茶の食物繊維が腸内環境を整え、短鎖脂肪酸などの善玉物質が筋肉の成長をサポート!

腸内の善玉菌が増え、筋トレ効果を最大化!

抹茶味ではなく、抹茶の粉や茶葉そのものを摂取することが重要!

プロテインやサプリメントに加えて、日常的に抹茶を取り入れることで、短鎖脂肪酸の産生を促進し、筋肉の成長を加速できることが分かりました。飲み物から食物繊維を摂ることは、食事から摂取するよりも簡単かもしれません。

筋トレ後のリカバリーに「抹茶を飲む」という新たな習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか?

今回教えてくれたのは…

  • 京都府立大学 生命環境科学研究科 准教授 : 青井渉さん

    京都府立医科大学医学研究科助教、京都府立大学生命環境科学研究科助教、カロリンスカ研究所Guest Assistant Professorなどを経て、2017年より現職。食と運動、骨格筋との関わりを研究する運動生理学・運動栄養学を専門とし、スポーツ領域、アンチエイジングを含めた健康領域での応用を目指す。

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  • ライター

    田口 拓矢

    北海道の網走という田舎町から上京後、放送作家としてバラエティ番組を中心に約10年活動。業界特有の『不健康生活』という名の”劣悪監獄”から脱獄を目指し、様々な健康法を日々チャレンジ中!

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